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「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

絹遺産を観光活用 ネットワーク県が構築 1次登録に文化財30件

県は31日までに、県内に残る絹遺産を再評価し、市町村と連携して保存活用していく「ぐんま絹遺産ネットワーク」を構築するため、国や自治体の指定文化財を中心に約30件を「ぐんま絹遺産」として優先的に登録する方針を示した。7月から始まる大型観光企画「群馬デスティネーションキャンペーン(DC)」で県内外の多くの観光客に訪れてもらい、遺産価値をアピールしていく。

1次登録候補として県は、世界遺産候補「富岡製糸場と絹産業遺産群」をはじめ、遺産群の対象外となった国天然記念物の薄根の大クワ(沼田市)、県重要文化財の旧上毛モスリン事務所(館林市)、前橋市重要無形民俗文化財の春日神社太々神楽「蚕の舞」などを想定している。

公開可能な絹遺産について市町村が推薦書を県に提出。新設する専門家ら十数人による「ぐんま絹遺産推進委員会」の審議を経て、DC開幕までに1次登録する。

ぐんま絹遺産に登録後、市町村による文化財の調査研究や広報、現地ガイドの育成、案内板の設置といった事業費を県が100万円を上限に半額を補助する。複数の市町村による連携事業も重視し、互いの絹遺産をPRするイベントにも補助する。

県は絹遺産の所在地マップやパンフレットを作製したり、市町村や所有者との連携による絹遺産の保存活用を促す。

県世界遺産推進課は「ぐんま絹遺産ネットワークの中心に世界遺産候補の富岡製糸場などがある。森(絹遺産)があってこその巨木(世界遺産)であり、養蚕、製糸、織物など関連遺産を守り、世界遺産登録運動を推進していきたい」と話している。1次登録以外の絹遺産については、10月中旬以降に順次認定していく。

富岡製糸場(富岡市) 田島弥平旧宅(伊勢崎市) 高山社跡(藤岡市) 荒船風穴(下仁田町)