年度内にも推薦 富岡製糸場の世界遺産登録 県が見通し
- 掲載日
- 2011/06/04
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産登録を目指している「富岡製糸場と絹産業遺産群」について、県は3日の県議会総務企画常任委員会で、文化庁が同遺産群を含む国内3候補の登録推薦を本年度中か、遅くとも来年度までに決定し、世界遺産委員会に推薦書を提出するとの見通しを示した。
県世界遺産推進課によると、同遺産群と「武家の古都・鎌倉」(神奈川県)、「富士山」(静岡県・山梨県)は、いずれも推薦書の作成を進めており、海外の専門家を招いた国際会議も開いているため有力候補という。
中心となる富岡製糸場をはじめとする6資産と、県世界遺産学術委員会の提言や地元要望を受けて追加した田島家住宅(伊勢崎市)を含む計7資産について、県は厳格化している世界遺産登録の状況を踏まえ、一層の絞り込みの必要性も示した。
2013年に世界遺産登録されるためには、9月末までに推薦書の暫定版を世界遺産委員会に提出、形式審査を受け、来年1月末までに正式版を出す必要がある。県は本年度中にも国内3候補のいずれかが推薦されるとみており、推薦書の完成を急ぐ。大沢正明知事は10日の県議会閉会後すぐに近藤誠一文化庁長官を訪ね、早期登録を要請する。