次は富岡製糸場だ 平泉が世界遺産登録 地元に期待高まる
- 掲載日
- 2011/06/27
岩手県平泉町の「平泉の文化遺産」が世界文化遺産への登録が決まったのを受け、2013年に「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録を目指す地元関係者は26日、「平泉を登録のモデルケースとして、後に続きたい」と期待を膨らませた。
富岡製糸場総合研究センターの今井幹夫所長(77)は、平泉が登録された大きな要因として「浄土思想に直接かかわるものに厳選したこと」と分析。本県の製糸場などの構成資産についても、さらなる精選が必要との認識を示した。
県は先月、県世界遺産学術委員会に、ユネスコへ提出する世界遺産候補の推薦書の原案を提示。委員会は登録の価値証明について議論し、中国や欧州との技術交流を通じた絹の大衆化と、繭や生糸を大量生産する技術革新の2テーマに絞って推薦書を構成していくことを決めた。
富岡市世界遺産まちづくり部は「平泉の世界遺産登録を励みに、県や関係市町村と一丸となって取り組んでいきたい」とコメント。製糸場内で生まれ育ったという製糸場解説員の金久保誠さん(79)は「製糸場の素晴らしさを多くの人に知ってもらうためにも、早く世界遺産に登録されてほしい」と話している。
平泉は平安時代に栄えた奥州藤原氏ゆかりの地。08年の遺産委で登録が見送られ、「浄土思想」を軸に金色堂で知られる中尊寺など資産を絞り込んで再挑戦していた。