新たな絹文化創造を 高崎でシンポ 「遺産群」の価値語る
- 掲載日
- 2011/07/22
講演する石井さん
「絹の郷(くに)シンポジウム」が21日、高崎市の県立日本絹の里で始まり、県内外の養蚕、製糸、織物関係者約100人が、蚕糸業と絹文化を次世代に引き継いでいく各地の取り組みに理解を深めた。
県と県蚕糸振興協会でつくる実行委員会が蚕糸絹業関係者の交流を進めるため2008年に始め、過去2回は養蚕農家や織物業など現業に焦点を当てた。
3回目の今回は、文化的な視点を広げ、本県の世界遺産候補「富岡製糸場と絹産業遺産群」の価値と登録運動について、日本学士院会員で東京大名誉教授の石井寛治さんが基調講演。絹の大衆化に大きな役割を果たした同遺産群の価値について指摘し、「遺産を保存するとともに新しい絹文化をつくっていくことも大事」と語った。
続いて、大日本蚕糸会会頭の高木賢さん、京都の西陣織会館副館長の松本里花さん、県蚕糸園芸課絹主監の狩野寿作さんが、蚕糸絹業の提携グループの現状や県蚕糸業の活性化方針などを説明した。
参加者は22日、遺産群を構成する富岡製糸場や碓氷峠鉄道施設、高山社跡を見学する。