「世界遺産に近づく」 両陛下視察で高まる期待 富岡製糸場
- 掲載日
- 2011/08/24
日の丸の小旗を振って、天皇、皇后両陛下を歓迎する市民ら
天皇、皇后両陛下が富岡市の旧官営富岡製糸場を視察された23日、沿道や製糸場には多くの市民や観光客が詰め掛けて両陛下を歓迎し、世界遺産登録運動に弾みがつくことを期待する声が上がった。
午後1時40分ごろ、到着したバスから両陛下が降り、笑顔で手を振られると、集まった市民や観光客から「陛下」「美智子さま」と歓声が上がった。製糸場近くの沿道で出迎えた富岡中3年の新井亮祐君は「うれしい。製糸場が有名になって世界遺産に近づくと思う」と笑顔を浮かべた。
両陛下が42年前にそろって製糸場を視察された際も姿を見たという同市田篠の豊田儀治(よしはる)さん(63)は「お二人とも変わらず穏やかな雰囲気で若々しい。今回の視察で製糸場が話題になり、世界遺産登録が早まれば」と話していた。
製糸場内では「お元気で」と日の丸の小旗を振る市民らに両陛下が歩み寄り、「皆さんもね」と声を掛けられる場面も。皇后さまから「日本に住んでいらっしゃるのですか」と質問されたベルギー出身のロケ・フィリップさん(43)=同市七日市=は「すごく緊張した」と驚いていた。
岡野光利市長は「製糸場の価値をあらためて認識してもらう上で大きなインパクトになった」と喜び、製糸場解説員の会の関利行会長は「世界遺産登録に一歩一歩近づいているという期待が高まった」と振り返った。