操業停止後建物の保管 「よく残してくれた」 歩みや歴史的価値 説明に耳を傾ける 両陛下、富岡製糸場を視察
- 掲載日
- 2011/08/24
天皇、皇后両陛下は23日、1年ぶりに本県を訪れ、富岡市の旧官営富岡製糸場を視察された。乾燥した繭を貯蔵した東繭倉庫、繭から糸をつむぐ自動繰糸機が並ぶ繰糸場など1872年の創業当時の建物が残る場内を約1時間にわたって見て回り、製糸場の歩みや歴史的価値に関する説明に耳を傾けられた。富岡製糸場のご視察は皇太子、皇太子妃時代の1969年以来42年ぶり。(関連記事 18面)
説明役を務めた富岡製糸場総合研究センターの今井幹夫所長によると、天皇陛下は1987年の操業停止後も建物が保管された点について「よく残してくれました」と話されたという。
皇居内の御養蚕所で長年養蚕に携わり、「小石丸」などの品種を飼育してきた皇后さまは、展示品の本県産の繭と糸を見て「大きいですね」「きれい」と感想を述べられた。
視察後、今井所長は記者団に「両陛下とも細かいことまでよくご存じで驚いた。(世界遺産登録に向けて)大変ありがたい」と語った。大沢正明知事は「非常に熱心にご視察いただき、絹産業文化に深い関心をお持ちであることを強く感じた」とコメントした。
両陛下は長野県軽井沢町に滞在した後、27日に草津町に移動して「第32回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティバル」を楽しまれる。