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「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

富士山、鎌倉世界遺産推薦 製糸場は来年以降 構成7資産、精選へ 14年の登録目指す

文化庁の文化審議会世界文化遺産特別委員会は1日、2013年の世界文化遺産登録を目指す「富士山」と「武家の古都・鎌倉」について、政府が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦することを了承した。県が同年の登録を目指していた「富岡製糸場と絹産業遺産群」は来年以降の推薦が確定、登録は早くても14年になる。県は海外の専門家3人を招いた国際専門家会議を文化庁と共催で10月に開き、遺産群を構成する7件の資産を絞り込むことも視野に推薦書の最終案を検討。14年の確実な世界遺産登録を目指す。(関連記事 4面)

富岡製糸場が本年度の推薦から漏れた理由について県世界遺産推進課は、富士山と鎌倉が製糸場より前から登録を準備してきたことが大きいとみている。鎌倉は1992年に世界文化遺産の暫定リスト入り。富士山のリスト入りは製糸場と同じ97年だが、それ以前に自然遺産での登録を目指した経緯がある。

国際専門家会議は昨年2月と11月に続いて3回目。推薦書について助言する県世界遺産学術委員会(委員長・岡田保良国士舘大教授)の委員4人や文化庁担当者らと、推薦書案について意見交換する。

県が今年5月に学術委に提示した推薦書原案の構成資産は富岡製糸場と高山社跡(藤岡市)、荒船風穴(下仁田町)、田島家住宅(伊勢崎市)、富沢家住宅(中之条町)、赤岩地区養蚕農家群(同)、碓氷峠鉄道施設(安中市)の7件。学術委や昨年の国際会議では、7件をさらに絞り込む必要性が指摘されており、国際会議では資産を精選する方向で議論が行われる見通しだ。

7資産のうち田島家は国の保護態勢が整っていないため、県は国史跡指定の意見具申を来年1月に行う方向で準備を進めている。

富士山と鎌倉は、月内に推薦書の暫定版をユネスコに提出、来年2月1日までに正式推薦する。来年夏の国際記念物遺跡会議(イコモス)の現地調査を経て、13年夏のユネスコ世界遺産委員会で登録の可否が決まる見通し。

富岡製糸場(富岡市) 田島弥平旧宅(伊勢崎市) 高山社跡(藤岡市) 荒船風穴(下仁田町)