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世界遺産の玄関口に 最優秀の建設事務所 模型使い構造説明 上州富岡駅設計提案

模型で駅舎を説明する武井さん(左)と鍋島さん(左から2人目)
模型で駅舎を説明する武井さん(左)と鍋島さん(左から2人目)

県が実施した上州富岡駅舎の設計提案で、最優秀賞に輝いた東京都の建設事務所、TNAの武井誠さん(37)と鍋島千恵さん(36)が15日、富岡市のまちかど遊YOUプラザで、駅舎の構造やまちづくりについて模型を使って説明した。

武井さんは、同市の魅力を「日常生活の中に歴史があること」と述べ、富岡製糸場は日本と西洋の建築技術が融合した当時の最先端の建物と指摘。その上で「これまでの歴史を継承し、これからの新しい富岡の歴史をつくりたい」と、駅舎への思いを語った。

駅舎のテーマを(1)世界遺産にふさわしい玄関口(2)上信電鉄の電気機関車「デキ」のような頼れる建物(3)駅と街をつむぐ地域・発信拠点という三つに設定。製糸場の「木骨煉瓦(れんが)積造」を継承し、駅舎の柱を鉄骨の周りにれんがを積み上げる「鉄骨煉瓦積造」にしたことや、屋根を高く設置して視界を広げて圧迫感をなくしたこと、柱を拠点に十字に広がるれんがで空間を区切り、掲示板やカウンター、ベンチなど多目的に利用できるようにしたことなどを説明した。

武井さんは、「富岡の街をつむぐ市の観光拠点として、住民が世界に誇れる駅舎にしたい」と話した。

設計提案は全国から359作品が集まり、TNAの「煉瓦に集う、紡ぎの駅舎」が最優秀賞に決まった。

新駅舎の完成目標は2012年度。

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