製糸場4資産 専門家が視察 世界遺産登録
- 掲載日
- 2011/10/29
高山社跡を視察する海外の専門家
世界文化遺産を審査する国際記念物遺跡会議(イコモス)の専門家ら3人は28日、本県の世界遺産候補「富岡製糸場と絹産業遺産群」の有力な構成資産4カ所を視察した。国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出する推薦書を協議するため、県と文化庁が29、30日に開く国際専門家会議を前に実施。世界遺産としての価値や保全管理のための緩衝地帯について県担当者が説明、助言を受けた。
視察したのは、旧官営富岡製糸場(富岡市)と田島家住宅(伊勢崎市)、高山社跡(藤岡市)、荒船風穴(下仁田町)。
イコモス・ハンガリー事務局長のタマシュ・フェヤルディさんは「資産の関連が分かり、世界遺産としての『真正性』を確認できた。推薦書も強化され、登録のチャンスがある」と語った。産業遺産が専門のイタリアのマッシモ・プレイテさんも「各資産が複合的に一つの価値を醸し出している」と評価。イコモス・カナダ会長のディヌ・ブンバルさんは「この候補が人類にどのような関心を引き出せるかが重要。保全管理計画も大切」と指摘した。