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「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

「4資産」を候補に 富岡製糸 国際会議が合意 世界遺産登録

本県の世界遺産候補「富岡製糸場と絹産業遺産群」について、県世界遺産学術委員会(岡田保良委員長)は31日、旧官営富岡製糸場(富岡市)との直接の関連性を重視して、これまでの7資産から4資産に絞り込んで世界文化遺産候補とすることを明らかにした。29、30日に開かれた第3回国際専門家会議で推薦書案に合意、31日の国際シンポジウム(県、文化庁主催)で報告された。

(シンポジウムの詳細は5日付の文化面で紹介)

学術委は、世界遺産としての顕著な普遍的価値が高品質な生糸の大量生産につながった養蚕・製糸の技術交流・革新と生糸の大衆化にあるとし、富岡製糸場と高山社跡(藤岡市)、荒船風穴(下仁田町)、田島家住宅(伊勢崎市)に絞り込んだ。

国際会議で推薦書案が大筋で合意されたことを受け、今後は推薦書の改訂と、田島家住宅の国史跡指定や各資産の緩衝地帯の設定などが来年度の推薦を目指して進められる。

県内には多くの絹産業関連の遺産、施設が良好に残り、県が進める「ぐんま絹遺産ネットワーク」を育てていくことの重要性も会議で指摘された。県世界遺産推進課によると、海外の専門家が同ネットワークを高く評価し、地域で保護されている多くの資産の中から世界遺産候補が選ばれていることを推薦書に明記するよう助言があったという。

会議は世界遺産候補名の変更についても議論したが結論に至らず、協議を継続していくことになった。

シンポジウムでは講演やパネルディスカッションが行われ、文化庁世界文化遺産室長の小林万里子さんは絹産業遺産群について「準備が整ってきており、来年にも推薦書の暫定版を出せるよう地元と力を合わせていきたい」と語った。

富岡製糸場(富岡市) 田島弥平旧宅(伊勢崎市) 高山社跡(藤岡市) 荒船風穴(下仁田町)