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来年度以降の繭買い取り 養蚕農家保護で継続 富岡市

富岡市の岡野光利市長は15日、会長を務める富岡シルクブランド協議会が行っている市内の養蚕農家からの繭全量買い取りについて、2012年度以降も継続する考えを示した。国から協議会への補助金が買い取りを支えていたが10年度で打ち切られ、本年度は積立金を切り崩して対応していた。厳しい運営が続く中、旧官営富岡製糸場の世界遺産登録に向け、養蚕農家の存続は不可欠な要素と判断した。

買い取り額は標準繭で1キロ当たり2300円。協議会が発足した08年の水準を維持する。

同協議会は、養蚕農家から最終製品の製造業者までが連携した団体に対し、養蚕振興を目的に国が3年間、補助金を交付する「蚕糸絹業提携システム確立対策事業」を活用するために発足した。

08~10年度に合計で約5千万円の補助金を受け、買い取りの主な費用に充てていた。本年度は市からの委託金や積立金を切り崩すなどして、1382万円分の繭を買い取った。

12年度は繭や絹製品の販売を強化して、繭の買い取り費用や協議会運営費を捻出する考え。

岡野市長は15日の市議会一般質問で、「富岡の地から生産される繭がなくなってしまったら、本当の意味での世界遺産ではない」と述べ、養蚕維持の必要性を強調した。

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