上毛新聞社「21世紀のシルクカントリー群馬」キャンペーン

上毛新聞社Presents
「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

《2011 重大ニュース(8)》製糸場 世界遺産推薦へ 4資産で14年登録を

海外の専門家を招いて開かれた「富岡製糸場と絹産業遺産群」の国際シンポジウム=10月
海外の専門家を招いて開かれた「富岡製糸場と絹産業遺産群」の国際シンポジウム=10月

本県の世界文化遺産候補「富岡製糸場と絹産業遺産群」が来年度、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に国内単独推薦される見通しとなった。県は構成資産を富岡市の旧官営富岡製糸場を中心とする4資産に絞り込んで推薦書の作成を進めており、2014年の登録を目指す。

「富士山」と「武家の古都・鎌倉」の本年度推薦が決まった9月、大沢正明知事は文化庁の近藤誠一長官を訪ねた。本県の絹産業遺産群の早期推薦を要請。近藤長官は本県の推薦準備が国内候補の中で一番進んでいるとの認識を示し、来年度の推薦が有力になった。

県と文化庁は10月、文化遺産を審査する国際記念物遺跡会議(イコモス)関係者ら3人を招き、県世界遺産学術委員会(岡田保良委員長)の委員も加えて第3回国際専門家会議を開催。これまでの7構成資産から、富岡製糸場との密接な関連性を持つ4資産に絞った推薦書案を示し、専門家の了解を取り付けた。

4資産は富岡製糸場のほか、高山社跡(藤岡市)、田島家住宅(伊勢崎市)、荒船風穴(下仁田町)。岡田委員長は専門家会議の成果を国際シンポジウムに報告。県が進める「ぐんま絹遺産ネットワーク」についても評価し、織物を含め県内に残る多くの絹遺産の保存活用に期待した。文化庁世界文化遺産室は「来年にも推薦できるよう地元と力を合わせていきたい」と協力を約束した。

県は推薦書の改訂版を本年度中に学術委に示し、文化庁に提出する。文化審議会などの了承を経て政府が推薦を決め、12年9月までに暫定推薦書、13年1月までに正式版をユネスコに送る手はずになる。順調にいけば、14年夏の世界遺産委員会で登録される。

世界遺産への道筋が見えてきた富岡製糸場だが、8月に天皇、皇后両陛下が視察され、注目を集めた。9月にはコンサート「世界遺産劇場」と絹展、講演会が県や富岡市、民間の連携で開かれ、全国に魅力を発信。過去最高の1日約5千人、4日間で約1万2千人が訪れた。

県世界遺産推進課は「県内全域で盛んだった絹産業の遺産が世界遺産になることを県民が自覚し、登録を後押ししてほしい」と話している。

富岡製糸場(富岡市) 田島弥平旧宅(伊勢崎市) 高山社跡(藤岡市) 荒船風穴(下仁田町)