創業時しのぶ繰糸器 富岡製糸場職員が実演
- 掲載日
- 2012/01/14
毎週水曜日に行われるフランス式繰糸器の実演
世界遺産登録を目指す富岡市の旧官営富岡製糸場で、1872(明治5)年の創業当時の姿を伝えるフランス式繰糸器の実演が行われている。見学者は、繭から糸が取り出され、木製の小枠に巻き取られていく作業を興味深そうに見つめている。
実演は毎週水曜の午前10時と午後2時の2回、各1時間ずつ製糸場職員が行っている。創業当時は蒸気を動力にして繭を煮て、糸を取り出していたが、実演は別の場所で煮た繭を機械に移して電気で保温しながら、糸口を探して巻き取っていく。
フランス式繰糸器は一昨年10月、研究の末に復元した姉妹都市の長野県岡谷市から寄託を受けた。実演は昨年5月に始まり、製糸場職員が使用法の研修を兼ねて続けている。
見学した伊勢崎市の神倉孝子さん(79)は「戦後に座繰りで糸を取って布団を作っていた。動いている機械が見られて良かった」と懐かしそうだった。