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明治、大正期に独自の養蚕技術 高山社の業績知って 子ども向け紙芝居制作 上州ふじおか絵巻の会

完成した紙芝居「まゆダーマンの『養蚕改良高山社』」と富岡会長
完成した紙芝居「まゆダーマンの『養蚕改良高山社』」と富岡会長

明治から大正にかけ全国に養蚕技術を広めた「高山社」の存在を子どもたちに知ってもらおうと、藤岡市の地域活性化グループ「上州ふじおか絵巻の会」(富岡智子会長)が紙芝居「まゆダーマンの『養蚕改良高山社』」を制作した。国指定史跡「高山社跡」(同市高山)も含まれる本県絹産業遺産群の世界遺産登録に向けた機運を高めることも狙い。30セットを作り、今月末に市内全16の小中学校に寄贈するほか、読み聞かせの希望団体にも貸し出す。

完成した紙芝居は1セット18枚で構成。「清温育」という蚕の飼育方法を生み出した高山長五郎や長五郎が設立した養蚕改良組合「高山社」の業績を紹介している。絵巻の会が作ったキャラクター「まゆダーマン」も登場させ、分かりやすさを重視している。

紙芝居は富岡さんが昨年4月に手作りしたものが1セットあったが、子ども向けや絹産業関連のイベントで使用していたところ、傷みが激しくなっていた。

本格的な素材にした上で、数を増やすことも決め、市や高山社の顕彰団体と相談しながらリニューアルに取り組んだ。昨年10月には文化活動などを支援するベイシア21世紀財団の助成対象活動にも選ばれている。

完成を受け、3月14日夜には市総合学習センターで紙芝居を使った読み聞かせの実演会「子どもたちに伝えたい高山社」を開催。読み手の養成を目指し、保育士や読み聞かせボランティア、母親クラブ関係者らの参加を募っている。

富岡会長は「紙芝居を通じ、努力すれば長五郎のように何かできるという勇気を子どもたちに持ってもらいたい」と話している。

絵巻の会は藤岡の歴史を語り継ぎ、地域を活性化させるために2006年7月に発足。約20人の会員が所属し、シルクをテーマにしたシンポジウムや講演会を企画したり、絹産業遺産群に関するイベントに協力している。

紙芝居の問い合わせは富岡会長(電話090・8857・1713)へ。

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