製糸場の地下 間近に 国重文の下水竇、除雷施設 埋め戻し前に公開 4日富岡
- 掲載日
- 2012/02/28
下水竇と排水溝、土管(上、西繭倉庫の南東隅)
世界遺産登録を目指す旧官営富岡製糸場で発掘調査を進めている富岡市教委は3月4日、調査成果を紹介する現地説明会を開く。西置繭所(にしおきまゆじょ)(西繭倉庫)のれんが造りの排水溝など、これまでに発見された製糸場の地下の構造物を間近に見ることができる。
発掘調査は製糸場の将来の整備や保存に向け、地下の状況を確認することが主な目的。昨年12月から西繭倉庫の周囲と蚕種製造所跡で調査が進められている。
明治5年に建てられた西繭倉庫の周囲からは、国重要文化財の「下水竇(とう)」などの排水溝、落雷から建物を守るための除雷施設とみられる遺構などが確認された。
一部の遺構は2009年度の耐震調査に伴う試掘などで存在が分かっていたが、文献や図面に記録のない土管など新たな構造物も見つかっている。市教委は「全容解明に向け、それぞれの建設時期や目的などの研究を進める必要がある」としている。
説明会では西繭倉庫の外周を見学ルートに設定し、市教委職員が解説。発掘調査終了後は全て埋め戻される方針で、これらの遺構を間近で見学できるのは今回限りとなる。
説明会は午前9~12時、入場は随時受け付ける。集合場所は製糸場の西門前。参加無料で申し込み不要。小雨決行。問い合わせは同市教委文化財保護課(電話0274・62・1511)へ。
除雷施設(西繭倉庫の西側)