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「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

推薦書案 固まる 製糸場・世界遺産登録 県 国内手続き最終局面

2014年の世界文化遺産登録を目指す本県の「富岡製糸場と絹産業遺産群」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出する推薦書の内容を検討する第15回県世界遺産学術委員会が7日、都内で開かれ、県の推薦書案がほぼ固まった。推薦に向けた手続きは最終局面を迎えており、県は今回の細かい指摘を踏まえて推薦書を近く完成させ、今夏に予定される次の推薦候補を協議する国の文化審議会での了承を目指す。

世界遺産暫定リストに記載され、次の推薦を目指す国内候補は10件。14年の世界文化遺産登録には7月ごろ開かれる文化審議会の世界文化遺産特別委員会などの了承を経て、関係省庁連絡会議で政府が本年度の推薦を決定し、9月末までに暫定推薦書、来年1月末までに正式推薦書をユネスコへ提出する必要がある。

文化庁世界文化遺産室によると、県としての推薦書完成版は文化審議会の特別委に諮る資料となり、その後は国が主体となって推薦書を作成していく。

第5版となる今回の推薦書案は、同遺産群の4資産の特質、登録の価値証明、保全状況、保護管理などユネスコの書式に沿って構成。添付する4資産の包括的保存管理計画案や、前回は省略した図や写真も入れて完成版に近い形で示した。

この日の学術委で、松浦利隆・県世界遺産推進課長は「(本年度推薦に向けた)スケジュールが詰まってきており、内容を詳細に検討できる最後になるかもしれない。十分検討を」とあいさつ。非公開の協議では、委員や文化庁担当者から字句の表現方法など推薦書案の細部について指摘があった。添付する管理計画案では「行政の役割をもう少し細かく」「民間団体が積極的に関われる仕組みの一考を」といった意見が出されたという。日本語と英語の候補名称についても協議したが、結論は出なかった。

松浦課長は「細かい指摘を推薦書案に早急に反映させて改善し、本年度に必ず推薦されるように準備していく」と強調。県学術委の岡田保良委員長(国士舘大教授)は「全員が集まる学術委は今後想定していない。これまでの委員や事務局(県)の頑張りに敬意を表したい」と述べた。

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