高崎の旧官営新町屑糸紡績所 世界遺産、平泉参考に 追加で県
- 掲載日
- 2012/06/08
県は７日、本県の「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界文化遺産に登録された後、旧官営新町屑糸（くずいと）紡績所（高崎市新町）を追加登録する可能性について、「国内では例がなく、新規に推薦書を作る大変な作業。昨年登録された平泉（岩手県）が資産を数件追加しようと動いており、注視していきたい」との認識を示した。
県議会総務企画常任委員会で、関根圀男氏（自民）の質問に答えた。
関根氏は、世界遺産登録の条件となる新町屑糸紡績所の国史跡指定について質問。県世界遺産推進課は「高崎市も紡績所の価値を理解し、所有者との調整や識者に意見を聞くなど取り組んでいる。国の文化財指定は県教委や文化庁の指導を受けて着実に進めていくべきだ」とした。
高崎市は、市による紡績所の調査について、所有するクラシエフーズ側から了解を得ているが、対象の建物の一部は現在も操業中で、調査の時期や方法は未定という。
富岡賢治市長は取材に、「価値がどのくらいのものか、市はこれまで調査していない。世界遺産への機運が盛り上がっている時に、市内の文化的資産を調査しておくのが市の責務」と述べた。
新町屑糸紡績所は、２０１４年の世界遺産登録を目指す同遺産群の構成４資産に含まれていない。
