養蚕広めた高山社 残る分教場 保護を 村田さんが調査報告 藤岡
- 掲載日
- 2012/06/10
講演する村田さん
明治、大正期に養蚕技術を全国に広めた「高山社」の顕彰団体「高山社を考える会」(小坂裕一郎会長)は9日、藤岡市の藤岡公民館で勉強会を開いた。県文化財保護審議会副会長の村田敬一さんが地域の農家に開設された高山社の分教場の重要性を説いた。
1級建築士で工学博士でもある村田さんは「高山社分教場の建築調査報告と今後の課題」と題して講演。昨年8月から今年3月にかけて藤岡市内などで行った分教場の概況調査の結果を報告、現時点で関連施設17カ所が残存し、復元できる状況にあると説明した。
村田さんは「分教場は高山社の教育システムに欠かせないもの」とし、早急な詳細調査と文化財として保護する必要性を訴えた。
分教場は本校機能を持った高山社に対し、本県を中心に地域の農家などに116カ所開設、実習中心の授業が行われたとされる。
勉強会は「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録の機運を高めるため、構成資産の一つ、高山社について知識を深めようと開催。会員ら約70人が参加した。