2万4000匹掃き立て GM蚕、夏に初飼育 前橋
- 掲載日
- 2012/07/19
慎重にGM蚕の掃き立てを行う養蚕農家=県蚕糸技術センター
体外診断薬の原料となる有用タンパク質を繭から取り出せる遺伝子組み換え蚕(GM蚕)の本年度初の実用飼育が18日、前橋市の県蚕糸技術センターで始まった。前橋市内の養蚕農家6戸でつくる「前橋遺伝子組換えカイコ飼育組合」(糸井文雄組合長)のメンバー2人が、センター職員と2万4千匹を掃き立てた。夏にGM蚕を飼うのは初めて。2年前から始まったGM蚕の飼育は順調に拡大、糸として使う蛍光シルク用の試験飼育も本年度から始まり、全体では10万匹以上となる見込み。
「富岡製糸場と絹産業遺産群」のユネスコへの本年度推薦が内定。あらためて蚕糸業に注目が集まっており、県蚕糸園芸課は「生き残りをかけて、有用タンパク用とともに、高機能シルクの試作品を開発、糸用のGM蚕利用も進めていきたい」としている。