観光拠点紹介「西上州バスツアー」 絹遺産コース盛況
- 掲載日
- 2012/08/25
富岡製糸場で桐生解説員の説明を熱心に聞く参加者
ググっとぐんま観光キャンペーンの一環で、西毛地区の観光拠点を紹介する「西上州バスツアー」が24日、JR高崎駅を発着点に行われた。この日の「富岡製糸場と近代絹遺産コース」には、世界遺産登録への動きが本格化してきたことで関心が集まり応募が殺到、当初の予定からバスを1台増やして計2台で実施。県内外の77人が富岡製糸場(富岡市)や高山社跡(藤岡市)、碓氷製糸農業協同組合(安中市)を見学し、日本の近代化や絹に関する歴史と文化を学んだ。
◎応募殺到で増便
参加者はバスに分乗し、高山社跡と碓氷製糸農業協同組合に向けそれぞれ出発。富岡製糸場で合流し、解説員歴4年の桐生勇さん(67)の案内で東繭倉庫や検査人館、繰糸場、ブリュナ館を見て回った。
桐生さんは「明治政府はなぜ富岡に製糸場を建設したのか」をテーマに解説。富岡が良質な養蚕地帯であったことに加え、水路が発達していたこと、建築資材や燃料の石炭を周辺で調達できたこと、広大な敷地を確保できたことが理由と分かると、参加者は納得の表情を浮かべていた。
夫婦で参加した石原桂さん(80)=前橋市=は「日本初の製糸工場を1年ちょっとで完成させた先人の努力に胸が熱くなる」と感心した様子。高橋多恵子さん(63)=東京都町田市=は、「機械が動いている状態で繭から糸をとる工程を見学できたり、座繰り体験ができれば楽しんで理解を深められる」と話していた。
バスツアーは県西部県民局が西上州9市町村の協力を得て企画。26日は多胡碑記念館(高崎市)などを巡る「古代東国文化コース」(応募は締め切り)が行われる。