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「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

高山社跡に遊歩道 大型バス駐車場、親水公園も整備

遊歩道や親水公園の整備構想が明らかになった高山社跡前
遊歩道や親水公園の整備構想が明らかになった高山社跡前

藤岡市は3日、世界文化遺産登録を目指す富岡製糸場と絹産業遺産群の構成資産の一つである「高山社跡」(同市高山)をめぐり、施設周辺に遊歩道と親水公園を設ける構想を明らかにした。遊歩道を満喫しながら敷地内に入ってもらうほか、敷地前に流れる清流では小さい子どもにも楽しんでもらう。大型バスが複数台止められる駐車場の確保も進めており、国や県、地元住民の理解を得た上で本年度中に策定する基本計画に具体案を盛り込む。

市企画課の構想によると、遊歩道は関東屈指の清流である神流川の支流、三名(さんな)川の右岸(高山社跡の対岸)に設置。新たに整備する駐車場付近から施設正面前まで全長約300メートルで、川を渡る歩行者専用の橋も架ける。

歩道途中の三名川は川幅と水深がそれほどないことから、景観を壊さないよう配慮をした上で親水公園を整備し、自然を満喫してもらう。市企画課は「ブームによる一過性の集客に終わらないように水辺で遊べる藤岡の観光スポットにもしたい」とする。

高山社跡側を通る県道についても、市は車の対面通行が厳しい区間があることから、道路の拡幅と安全確保のための歩道の整備を県に求めていく考えだ。

高山社跡をめぐっては、市が9月補正予算案に施設を当時の状況に復元するための改修費を初めて計上。3日の市議会本会議で可決されたことから、10月中にも母屋正面の外壁を覆うトタン板を撤去する。

今後は本年度中に策定予定の基本計画などに基づき、敷地内での桑園の復元や長屋門の改修、新たな駐車場の確保、常設トイレの設置など優先順位をつけながら来年度以降に本格的に整備事業を進めていく。

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