世界遺産へ魅力を発信 講演、コンサート、企画展 来月6日から 富岡製糸場創業140年
- 掲載日
- 2012/09/07
富岡製糸場の創業140周年を記念した式典や多彩な催しが10月6~8日の3日間、製糸場で開かれる。生糸の大量生産を実現して絹の大衆化に大きく貢献し、140年にわたって大切に保存されてきた歴史を振り返るとともに、政府が世界文化遺産候補としてユネスコへの推薦を決めた「富岡製糸場と絹産業遺産群」の登録運動の裾野を広げる。世界的なデザイナーの山本寛斎さん、歌手の加藤登紀子さん、館林市出身のオカリナ奏者、宗次郎さんらも出演して盛り上げる。
県、富岡市、上毛新聞社などが組織する富岡製糸場創業140周年記念事業実行委員会などが主催する。明治政府が1872(明治5)年10月4日に操業を始めたことから、6日からの3連休に各種事業を集中展開する。 メーン行事の記念式典と記念講演は7日、木骨れんが造りの東繭倉庫で行う。式典では製糸場の140年の歩みをスライドで紹介して節目を祝う。市のイメージキャラクター「お富ちゃん」の着ぐるみもお披露目される。「世界遺産大学 富岡製糸場」と題した講演は、山本さんが絹を通じた世界のファッションについて語る。
記念イベントは「加藤登紀子シルクコンサート」(6日)、公開生放送「FMぐんまラジオの文化祭」(7日)、コンサート「世界遺産劇場~Extra」(8日)が企画されている。無料の同劇場では宗次郎さんとテノール歌手の角田和弘さんが出演する。
記念企画展として10月8日まで開催中の「富岡製糸場と花まゆ」展のほか、工女の暮らし展(10月12日~11月11日)も予定されている。
市富岡製糸場課によると、製糸場の入場者数は8月のお盆期間中に1日当たり1200人以上で推移し、政府が23日に絹産業遺産群の推薦を正式決定した後の最初の日曜日(26日)には1976人を記録、今月2日の日曜日も1613人に上った。平日は700人前後で推移し、前年比約3割増と関心の高さを示している。担当者は「140周年イベントを通じてこれまで製糸場に興味がなかった人にも見学してもらい、魅力をアピールしたい」と話している。