繭倉庫に歌声響く 製糸場140周年記念イベント あすまで富岡
- 掲載日
- 2012/10/07
加藤さんの情感あふれる歌声が響いた東繭倉庫でのコンサート
旧官営富岡製糸場(富岡市富岡)の創業140周年記念イベントが6日、製糸場で始まった。生糸の大量生産を実現して絹の大衆化に貢献した製糸場の歴史的価値を再確認し、世界遺産登録への機運を高めるのが狙いだ。初日は木骨れんが造りの東繭倉庫で歌手の加藤登紀子さんのコンサートが行われ、イベントを盛り上げた。8日まで。
県、富岡市、上毛新聞社などがつくる実行委員会などが主催。明治政府が1872(明治5)年10月4日に操業を始めたことにちなんで企画した。
会場を埋めた聴衆に拍手で迎えられた加藤さんは、古箏(こそう)演奏家の毛Y(まおや)さんと共演したほか、東日本大震災の被災者にエールを送る歌など約20曲を歌った。最前列で聞いた勅使河原澄江さん(67)=富岡市=は「加藤さんの声を地元の歴史ある建物で聞けて感無量です」と感激していた。
7日は東繭倉庫で記念式典と講演があり、世界的なデザイナーの山本寛斎さんが絹を通じた世界のファッションを語る。公開生放送の「FMぐんまラジオの文化祭」では歌手のアン・サリーさんのライブも行う。
8日の「世界遺産劇場~Extra」は館林市出身のオカリナ奏者、宗次郎さんとテノール歌手の角田和弘さんが出演する。式典と講演、世界遺産劇場の参加受け付けは終了している。
記念企画展は「富岡製糸場と花まゆ」が8日まで、12日から11月11日まで「工女の暮らし展」が開かれる。