世界の文化交流を 富岡製糸場140周年
- 掲載日
- 2012/10/08
ブリュナ館に飾られた「花まゆ」
◎寛斎さん講演 「登録疑いない」
旧官営富岡製糸場創業140周年記念事業として、ファッションデザイナーの山本寛斎さんを講師に迎えた「第10回世界遺産大学」が7日、富岡市の富岡製糸場・東繭倉庫で開かれた。絹の衣装でステージに立った山本さんは「私は富岡製糸場の世界遺産登録を疑ってない。この空間を活用して世界規模の文化的交流を」と呼び掛けた。
日本と世界の文化交流を語る山本寛斎さん
ヨーロッパと日本の文化の交流によって誕生し、世界の服飾文化の発展に大きな役割を果たした富岡製糸場。講演は「新たな時代を創る"文化交流"」をテーマに、国や民族を超えて人々と交流し、各国でファッションショーの概念を超えたイベントを手がけてきた山本さんの軌跡を映像とともに紹介した。
フリーアナウンサーの石井希和さんが絹の奥深さを尋ねると、山本さんはシルクロードを通って東方見聞録をまとめたマルコ・ポーロを挙げ、「きれいなものを求めて人が動き、日本も『黄金の国』と欧州に紹介された。シルクは文明を作ったといっても過言ではないと思う」と語った。
世界遺産大学は各地の世界遺産やその候補地を会場に、第一線で活躍する有識者やアーティストを迎えて開いている。
製糸場中庭広場で行われたFMぐんまの生放送
◎FM公開放送 歌やトークで魅了
富岡製糸場創業140周年記念事業「FMぐんまラジオの文化祭」が7日、製糸場中庭広場で開かれた。医師でシンガー・ソングライターのアン・サリーさんらが公開生放送に出演。ライブも行われ、大勢の来場者が足を止めて歌やトークを楽しんだ。
生放送で、アンさんは「歴史の重みを感じる」と製糸場の印象を話した。司会者から富岡市内の観光地やグルメを紹介されると、「何回でも来たい」と応じた。ご当地アイドル「AKG」の富岡製糸場世界遺産登録応援ユニット「くるくるしるく」は、司会の岡部哲彦アナウンサーにクイズを出題して会場を盛り上げた。
また、1872(明治5)年建築の木骨れんが造りの西繭倉庫をバックに、アンさんが映画「おおかみこどもの雨と雪」の主題歌などを披露。大ファンという前橋市の女性は「生の声を初めて聞いて感動した。しっとりとした歌声と製糸場の雰囲気が合っていて良かった」と満足した様子だった。