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「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

絹産業の歴史 次代へ 10月4日「開業記念日」に制定 富岡製糸場140周年記念式典

東繭倉庫で行われた記念式典。お披露目された富岡市のイメージキャラクター「お富ちゃん」と握手する岡野市長
東繭倉庫で行われた記念式典。お披露目された富岡市のイメージキャラクター「お富ちゃん」と握手する岡野市長

2014年の世界文化遺産登録を目指す「富岡製糸場と絹産業遺産群」の中心資産の旧官営富岡製糸場(富岡市富岡)で7日、製糸場の創業140周年の記念式典が開かれ、製糸場関係者ら約220人が節目を祝うとともに、日本の近代化や絹の大衆化に貢献した製糸場の歴史を振り返り、世界に誇る群馬の絹産業の歴史を次代に引き継ぐ決意を新たにした。操業を開始した1872(明治5)年10月4日にちなみ、市は同日を「富岡製糸場開業記念日」と定め、歴史や価値を広く伝える行事を毎年開くことを明らかにした。(関連記事18面)

東繭倉庫で行われた式典で、岡野光利市長は同遺産群のユネスコへの推薦が決まったことを踏まえ、「建物や敷地を管理してきた片倉工業や製糸場を愛する人たちの気持ちが結実した。日本の近代化を目指した開業時の経営者や工女の高い志と使命感を感じる」とあいさつし、世界遺産登録への支援を訴えた。吉川浩民(ひろみ)副知事も「世界に誇る群馬の絹産業の歴史を製糸場とともに未来へ伝えるため、世界遺産登録に全力で取り組むので協力を」と呼び掛けた。

岡野市長は製糸場開業記念日の制定を宣言し、市のイメージキャラクター「お富ちゃん」の着ぐるみがお披露目された。

製糸場140年の歩みをスライドで振り返り、片倉工業が1987年に操業停止するまで生糸を引き続け、市に寄贈した2005年まで大切に保存してきた経緯が紹介された。

片倉工業の竹内彰雄社長は「日本にとって大事なものを預かっていたとつくづく思った。片倉が66年間維持してきたが、操業停止後、富岡市に譲るまでが大変だった」と振り返り、世界遺産登録に期待を寄せた。

世界的なデザイナー、山本寛斎さんの講演もあり、「新たな時代を創る"文化交流"」と題して、夢を実現する思いを強く持つ大切さを訴えた。

この日は本年度最高の2860人が来場した。式典と講演は県や富岡市、上毛新聞社などでつくる富岡製糸場創業140周年記念事業実行委員会が主催した。

富岡製糸場(富岡市) 田島弥平旧宅(伊勢崎市) 高山社跡(藤岡市) 荒船風穴(下仁田町)