高山社跡に彩り 繭の花鮮やかに
- 掲載日
- 2012/11/03
作品を飾り付ける斉藤さん(手前)と沢入さん
富岡製糸場と絹産業遺産群の世界遺産推薦決定を受け、構成資産の一つである「高山社跡」(藤岡市高山)で2日、地元住民が繭を使って制作した作品がお披露目され、来場者を出迎えた。高山社跡で施設内の一部を利用して作品展示をするのは初の試み。管理する市教委文化財保護課は「世界遺産の登録に向け、地元住民らとともに機運を高めていきたい」と期待を込めた。
作品は母屋兼蚕室の1階東側にある一室に展示。藤岡公民館を拠点に、繭を使った作品制作に取り組む「シルクフラワーの会」代表の斉藤喜美子さん(77)と、「まゆで干支作り教室」代表の沢入千賀子さん(69)が飾り付けた。
教室に通う生徒が赤や紫、ピンクなどに色付けした繭を利用し、数カ月をかけて制作。コチョウランやスイセン、フジといったシルクフラワーと十二支をモチーフにした人形の計20点が、華やかな雰囲気を作り出している。壁面にも作品をくくりつけるため、竹の蚕かごを活用する趣向も凝らした。
斉藤さんは「藤岡市産の繭を使った作品もあることを知ってほしい」、沢入さんは「作品を通じて、皆さんに喜んでもらえたらうれしい」と話している。約3カ月ごとに作品を入れ替えるという。
富岡製糸場と絹産業遺産群の世界遺産推薦決定後、高山社跡への来場者が増加。市が2010年度に個人所有だった土地・建物を購入後、部屋が使用されていなかったため、繭を使った作品を見てもらいながら、世界遺産登録への機運を高めようと企画した。