上毛新聞社「21世紀のシルクカントリー群馬」キャンペーン

上毛新聞社Presents
「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

糸の魅力ゆったりと 富岡 製糸場、妙義山バスツアー 座繰り、草木染体験

真剣な表情で草木染に挑戦する参加者
真剣な表情で草木染に挑戦する参加者

富岡市と同市観光協会は4日、市内の富岡製糸場と妙義山をつなぐ観光連携事業「座繰り&草木染体験バスツアー」を初めて行った。県内外から30~80代の男女15人が参加。製糸場や妙義神社など観光地を巡ったほか、伝統技術の座繰り製糸と草木染に挑戦した。

参加者は午前9時半にJR高崎駅を出発。最初に立ち寄った富岡製糸場(同市富岡)では、解説員の説明を聞きながら場内を見学後、座繰り器を使った昔ながらの手法で糸を引いた。

染色工房「草木屋」(同市妙義町行沢)では、五倍子(ごばいし)を使った草木染に挑戦。山崎樹彦(たてひこ)代表によると、五倍子とはヌルデの葉に虫が寄生してできる「虫こぶ」で、お歯黒にも使われたという。参加者は染料の五倍子、媒染剤の木酢酸鉄の溶液と、水に木綿生地を繰り返し浸し、くすんだ紫色に染めた。

千葉県君津市の白井利(さとし)さん(49)は「五倍子による染色も座繰りも初めて。普段できない体験ができてよかった」と、満足した表情を浮かべていた。

この事業は人気観光地だが、距離が離れている製糸場と妙義山をつなぎ、観光客に1日を通して同市に滞在してもらおうと企画した。本年度は1回のみだが、来年度以降は2~3回行う予定。

富岡製糸場(富岡市) 田島弥平旧宅(伊勢崎市) 高山社跡(藤岡市) 荒船風穴(下仁田町)