高崎の集客能力強化 絹遺産で全国巡回展 知事年頭インタビュー
- 掲載日
- 2013/01/01
大沢正明知事は県政の課題や展望について上毛新聞社の年頭インタビューに応じた。高崎競馬場跡地に計画するコンベンションホールなどの集客施設は関東有数の規模を確保し、広域行政や都市間競争をにらんだ交流拠点とする構想を明らかにした。交通の要衝にある立地を生かし、本県全体の集客能力強化につなげる考えだ。世界文化遺産登録の推薦が決まった「富岡製糸場と絹産業遺産群」は、全国で構成資産と絹文化を紹介する巡回展を開催し、本登録へ国民的機運を高める。(6、7面に特集)
高崎競馬場跡地は、JR高崎駅東口から1キロの近さにありながら10・8ヘクタールもの広さを持つ。集客施設は2015年度の着工予定で学術会議や展示会、ライブなどができる施設を想定。13年度から設計で詳細を詰める。
大沢知事は、道州制などの広域行政や地方分権に向けて「群馬の立ち位置をどうするか考え、備える必要がある」と説明。展示施設を核にして上越、北陸両新幹線が通り、高速道路網も発達する高崎市に交流人口を生み、県全体の活力につなげる意向だ。「都市間競争に勝てる大規模な施設にし、東京からイベントを引っ張ってくる意気込みが必要」と語った。
「富岡製糸場と絹産業遺産群」は2014年の世界文化遺産本登録に向け、県外各地で製糸場をはじめ4資産の模型や写真の巡回展を行う。大沢知事は「13年度から県外への広報活動を強化し、国民的理解と支持を得て日本全体で海外に発信したい」と述べた。構成資産と観光地を連携した周遊ルートの提案と合わせ、県のPRにもつなげたい考えだ。