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「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

推薦書ユネスコに提出 世界遺産 14年夏登録へ審査 富岡製糸場

政府は31日、世界遺産条約関係省庁連絡会議を外務省で開き、2014年の世界文化遺産登録を目指し、本県の「富岡製糸場と絹産業遺産群」を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦することを最終決定した。国内審議はすべて終え、ユネスコに同日、正式版推薦書を提出した。

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文化庁によると、正式推薦書は昨年9月にユネスコに提出した 暫定推薦書から大きな変更はなく、連絡会議でも異論なく全会一致で提出が 決まった。推薦書は既にパリのユネスコ日本政府代表部に 届いており、31日に 代表部から世界遺産センターに提出された。

今後、ユネスコ諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)が、同遺産群の価値や保存管理状況について、ことし夏ごろの現地調査も 含めて1年半ほどかけて審査し、評価結果を14年5月ごろ ユネスコに勧告する。同年夏の世界遺産委員会で 登録の可否が決まる。

同遺産群は、19世紀後半から20世紀にかけて、高品質な生糸の 大量生産に貢献した養蚕、製糸の技術革新と技術 交流を示す富岡製糸場と 田島弥平旧宅(伊勢崎市)、高山社跡(藤岡市)、荒船風穴(下仁田町)で構成。世界の絹産業の発展と絹の 大衆化をもたらしたことを価値に掲げる。

河村潤子文化庁次長は会議後、「富岡製糸場は大変きれいに資産が残り、全体の技術革新に果たした役割、世界との交流が実証されている。この点をアピールしていきたい」と意気込みを語った。

大沢正明知事は取材に対し、「一つの大きなけじめがついた。現地調査をクリアし、来年の登録に向けてしっかり取り組みたい」と述べた。岡野光利富岡市長は「郷土の宝が世界の宝となる貴重な機会と捉え、世界遺産を持つにふさわしい品格あるまちづくりを進めていきたい」とのコメントを出した。

富岡製糸場(富岡市) 田島弥平旧宅(伊勢崎市) 高山社跡(藤岡市) 荒船風穴(下仁田町)