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「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

富岡市教委 全小中校で地域学習 新年度に指導計画 製糸場と養蚕 核

富岡市教育委員会は4日までに、世界文化遺産登録を目指す旧官営富岡製糸場や養蚕文化を核にした地域学習を、市内全ての小中学校17校で実施する方針を決めた。「ふるさと富岡の学習」(仮称)として、新年度から指導計画の作成に取り組み、2014年度の導入を目指す。社会科や総合学習などの時間で製糸場の見学や養蚕体験を必修化する方針で、地域の文化と歴史への理解を深める。

市教委によると、富岡製糸場や養蚕の学習は各学校に任せてきた。大半の学校は富岡製糸場を見学しており、妙義町の高田小は本年度、総合学習の時間で市農政課による養蚕体験学習事業を実施した。ただ、現状は養蚕農家の減少で蚕に触れたことのない子どもが増えている。

「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界文化遺産登録の可否を審議する世界遺産委員会が14年夏に迫る中、全学校が足並みをそろえて製糸場と養蚕を通じて地域の特性を学ぶ必要があると判断した。

市教育研究所に研究班をつくり、教員の意見を参考に1年かけて指導計画を固める。養蚕の学習では市内養蚕農家との連携も検討している。

「ふるさと富岡の学習」は小学1、2年生では写生などを通じて製糸場の存在を知ることから始め、中学卒業までに製糸場の価値を理解できるようにする。すべての児童生徒が小中学校で一度は製糸場の見学と蚕の飼育に取り組み、文化財や自然など地域の特色も学ぶ。

黛隆善教育長は「地域の財産の理解は郷土を愛する心を育むために重要。各学校の知恵を結集してしっかりした指導計画を作りたい」と話している。

絹遺産や養蚕の学習では、藤岡市教委が新年度から、同遺産群の構成資産である高山社跡や蚕糸業について学ぶ「高山社学」(仮称)を市内全ての小中学校16校に導入する。

富岡製糸場(富岡市) 田島弥平旧宅(伊勢崎市) 高山社跡(藤岡市) 荒船風穴(下仁田町)