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「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

富岡製糸 散策快適に イコモス調査控え環境整備 県、市が周辺路面改修

世界文化遺産登録を目指す旧官営富岡製糸場周辺の景観向上に向け、県と富岡市は2013年度までの2カ年事業で路面改修に取り組む。製糸場正門から東西に延びる「城町通り」と、上州富岡駅方面へ向かう南北の「宮本町通り」で舗装を張り替え、歩道と車道を色分けする。今夏に予定されているユネスコ諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)の現地調査を前に環境を整備し、製糸場を訪れた観光客がまちなかを散策しやすくなるように歩行者の視点に立った路面改良を進める。

路面改修は、市道の城町通り(約220メートル)で市が本年度中に南側の水路を改修し、観光客が比較的少ない年末以降に道路舗装と北側水路の整備に取りかかる。県道の宮本町通り(約260メートル)については、県が7月までに道路舗装と水路を整備する。

道路の舗装は車道を白色系、歩道を茶色系に色分けする。製糸場周辺の通りは幅員が狭いことから、歩道の色を強調することで安全性を高める狙い。舗装には排水性の高い素材を使い、雨が降っても歩きやすい道にする。

製糸場周辺の道路の景観に統一感を持たせるため、市は舗装の色彩や道路の付帯設備に関する「まちなか街路ガイドライン」を3月までにまとめる。市まちづくり課は「快適に歩ける路面を整備することで、まちなかの回遊性を高めたい」と説明している。

富岡製糸場の世界文化遺産登録の可否を審議する世界遺産委員会が来年夏に迫る中、中心市街地では観光客の受け入れ態勢づくりが急ピッチで進められている。上州富岡駅では駅舎の建て替えを含めた周辺整備が進行中で、製糸場とまちなか観光の拠点となる「まちかど遊YOUプラザ」の改修工事は3月中に完了する予定。市は新たな市営駐車場の設置に向け、新年度一般会計当初予算案に一部費用を計上する。

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