遺産の重要さ再認識 古代馬産地の繁栄/古墳時代の食 前橋で東国文化シンポジウム
- 掲載日
- 2013/02/25
本県の歴史文化の発信や次代への継承について意見交換したパネルディスカッション
郷土の歴史文化に光を当て、本県のイメージアップや地域活性化を考える「東国文化シンポジウム」(群馬歴史文化遺産発掘・活用・発信実行委、上毛新聞社など主催)が24日、前橋市の群馬会館で開かれた。約250人がパネルディスカッションや講演会を通じて古墳をはじめとした本県の歴史遺産の重要性を再認識した。
パネルディスカッションは「東国文化の中心・群馬の再認識」をテーマに実施。瀬戸内港町文化研究所長で元NHK解説委員の毛利和雄さん、県文化財保護審議会委員の右島和夫さん、青森大教授でエッセイストの見城美枝子さん、県立女子大教授の熊倉浩靖さん、あさを社編集主幹の木部克彦さんの5人が出席した。
5人は馬の生産を基盤に栄えた古代群馬の先進性を強調したり、古墳時代の食べ物の再現といった話題作り、子どもにも分かりやすい歴史文化の発信の必要性などを訴えた。
パネルディスカッションに先立ち、毛利さんは「歴史遺産とまちづくり」と題して基調講演した。「富岡製糸場と絹産業遺産群」が登録を目指す世界文化遺産について、景観保全が重要性を増していることを解説。「開発だけで幸せになれる時代ではなくなった。歴史を生かしたまちづくりを進めた方が人が住みやすく、人に好まれるまちとなる」と指摘した。
渋川市の金井東裏遺跡で出土した甲(よろい)装着人骨についても触れ、「長年考古学報道に携わってきたが、衝撃的だった」と当時の驚きを振り返った。