今も生きる養蚕言葉 藤岡で新井さん講演
- 掲載日
- 2013/04/03
講演する新井さん
高山社跡(藤岡市高山)の世界遺産登録運動を後押しする藤岡商工会議所で講演会が開かれた。同市出身で、県立女子大文学部准教授の新井小枝子さんが「絹のことば 古くなし新しくなし」と題し、養蚕文化の中で生まれた言葉について説明した。
新井さんは、かつて養蚕が盛んだった東日本を中心に、蚕を「おかいこさま」「おこさま」などの丁寧な表現で呼んだという調査結果を示し、養蚕の実態と言葉に密接な関係があることを指摘した。
蚕の上蔟(じょうぞく)を意味する方言「ずう」が、年を取ったことを表す日常会話の比喩表現として残っていることも紹介。「養蚕言葉は古いものではなく、人々の記憶や生活実感が込められて今も生きている」と訴えた。