蔵活用 高山社PR 資料展示、桑の実加工品販売、喫茶スペース… 藤岡商工会議所 6月開設へ準備
- 掲載日
- 2013/04/05
蔵造りの旧福井屋。高山社跡のPRと市街地活性化の拠点として整備する
藤岡商工会議所(梅沢徹会頭)は本年度から、藤岡市第1回都市景観賞を受賞した元履物店「福井屋」=同市藤岡=の蔵を活用して市内の世界文化遺産候補、高山社跡をPRする。高山社を紹介する資料を展示したり、乾燥させた桑の実の粉末を加工した麺類や菓子を販売。蔵の中に喫茶スペースやミニギャラリーも設け、市内外の人が集まれる憩いの場を目指す。6月のオープンに向け、準備を進めている。
福井屋は大正時代の土蔵を改修した店舗で営業、手作りのげたや草履を販売し市民に親しまれた。2004年に都市景観賞を受賞。07年に閉店し、空き店舗になっていたが、昨年12月に市が購入し、商工会議所に無償貸与した。広さは約90平方メートル。
市や商工会議所は高山社跡の世界遺産登録運動を後押ししているが、「観光客が高山社跡を見学に訪れた際、街中に立ち寄る場所がないと素通りされてしまう」(商工会議所)との懸念がある。
旧福井屋の整備は、市街地に足を運んでもらうための拠点とするのも狙いだ。蔵はかつては絹市が盛んだった中心市街地にある。江戸後期、この地域には月12回の絹市が立ち、絹の取引量は高崎をしのぎ県内一だった。現在も旧福井屋のほかに蔵を活用して営業する店がある。
福井屋の整備後は当時のにぎわいを紹介したり、桑の実の加工品や市の特産品を販売する。市民が楽しめる音楽イベントや展示会も開く予定だ。
梅沢会頭は「多くの蔵があったのは藤岡が元気だった証し。もう一度、街中ににぎわいを取り戻したい」と意気込んでいる。