富岡製糸場の西側、市所有 無料駐車場を廃止 一部が史跡指定区域内
- 掲載日
- 2013/04/05
富岡市が、世界文化遺産登録を目指す国史跡「旧官営富岡製糸場」の西側にある市の無料駐車場を廃止したことが4日分かった。駐車場の一部が国史跡の指定区域内にあるためで、担当者は「史跡を管理する上で好ましくなかった。今後は適切に保存活用していく」としている。
駐車場は市が所有する土地で駐車スペースは27台。周辺の商店や飲食店を利用する市民のために1970年に設置されたが、製糸場近くの無料駐車場として観光客の駐車が目立つようになった。今月に入り柵などを設けて閉鎖した。
史跡管理をめぐっては、「古都奈良の文化財」の一部として世界文化遺産に登録されている平城京跡(奈良市)付近の駐車場や木製の柵について、2011年に ユネスコ世界遺産委員会が「埋蔵文化財を壊す恐れがあり、景観も損ねる」と撤去を日本政府に要請した事例がある。駐車場と柵は前年の平城遷都1300年祭に合わせ、奈良県が国の許可を得て設置していた。
市は「今後は市街地にある市営駐車場を利用してほしい」と呼び掛けている。