従業員教育や経営に光 富岡製糸 昨年度の研究報告
- 掲載日
- 2013/05/15
2012年度の富岡製糸場総合研究センター報告書
富岡市の富岡製糸場総合研究センターが、昨年度の研究報告書をまとめた。従業員教育や経営などそれぞれの視点からなる4本の論文を収録し、世界遺産登録を目指す旧官営富岡製糸場の産業遺産としての価値を検証している。
報告書は、富岡製糸場における女性従業員の教育・教養制度の変遷、生糸生産量からみる片倉工業の経営実態、富岡製糸場の設立指導に当たったポール・ブリュナによるフランスの保護領トンキンでの事業、製糸場の用水施設を紹介した。
今井幹夫所長は「115年もの間、国内製糸業で圧倒的な存在感を持ち続けた富岡製糸場の実情に迫るには、多角的な視点からの研究が不可欠」としている。
同センターは製糸場の最後の経営を担った片倉工業から委託された資料の整理・保存を図り、製糸場の事業実績の解明を図る目的で、2008年度から調査研究を行っている。
報告書はA4判、151ページ。