製糸場軸に滞在型 体験や名物料理充実 富岡市観光戦略
- 掲載日
- 2013/05/23
富岡製糸場の世界遺産登録活動と連動して魅力ある観光地づくりを進めるため、富岡市は22日、観光戦略を発表した。来年夏にも見込まれる製糸場の世界遺産登録の効果を取り込むため、滞在型観光地の確立を図り、リピーター獲得を目指す。農業や工芸など体験型イベントの充実や地元食材を生かした名物料理の提供など、富岡を訪れた観光客に長時間滞在してもらう仕組みづくりともてなし意識の醸成に取り組む。
戦略の推進期間は2015年度までの3カ年。市の第1次総合計画(08~15年度)で示した観光振興策に基づき、観光入り込み客数212万人(11年度)を15年度には270万人に、観光消費額を51億円(同)から60億円に増加させる数値目標を掲げた。
目標達成に向けて、地元の食や自然、農業などを観光素材として磨き上げ、体験交流プログラムの充実を図る。周辺自治体や交通・観光事業者と連携して広域的な周遊観光を推進する。
もてなし強化では、中心市街地の見どころや歴史を紹介するボランティアガイドを養成。ネギ、コンニャク、シイタケなど特産品を生かした名物料理や物産を発掘して「食」の魅力を高める。
製糸場周辺はこれまで、市民が生活する場で、最近になって観光地として注目されるようになったため、観光客から「見どころが少ない」との声が出ていた。
磯田文男副市長は「世界遺産登録となれば、市は富岡製糸場を将来にわたって守り続ける責任も負う。経済効果を取り込むため、観光素材を磨き上げたい」としている。