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「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

製糸場の価値発信 富岡大会あすまで 150人 保存活用に理解 全国近代化遺産活用連絡協

富岡製糸場を見学する協議会の出席者
富岡製糸場を見学する協議会の出席者

全国近代化遺産活用連絡協議会の富岡大会が4日、富岡市の旧官営富岡製糸場を主会場に、6日まで3日間の日程で始まった。近代化遺産を持つ全国の市区町村関係者ら計150人が、先進的な保存活用の取り組みや2014年の世界遺産登録を目指す富岡製糸場の価値について理解を深めた。

大会テーマは「近代化遺産を守る・活(い)かす―地域の近代化遺産を見つめて」。協議会の副会長を務める岡野光利市長が「かけがえのない文化遺産を後世に伝えるとともに、多様な情報発信に努めたい」とあいさつした。

東繭倉庫で開かれたフォーラムでは、富岡製糸場総合研究センターの今井幹夫所長が製糸場の歴史と文化について講演し、「明治5年建設の主要な建物を維持しながら、技術革新と生産拡大を果たしたことに価値がある」と指摘した。文化庁と県、富岡市がそれぞれ近代化遺産の現況について報告。市担当者は製糸場の整備活用計画のほか、世界遺産登録に向けた支援団体の活動やまちづくりプロジェクトを紹介した。

フォーラムを総括し、東京文化財研究所長の亀井伸雄さんが「遺産の規模が大きいほど自治体や企業だけで建物を管理するのは困難だが、幸いにも富岡製糸場は支援団体やボランティアがいる。世界遺産登録に向け、市民や県民の支えは力になる」と述べた。

5日は世界遺産登録を目指すイタリアの産業都市をテーマにしたシンポジウムを富岡製糸場で開く。関係者は5、6日に県内の近代化遺産を視察する。

富岡製糸場(富岡市) 田島弥平旧宅(伊勢崎市) 高山社跡(藤岡市) 荒船風穴(下仁田町)