見学エリア拡張 西繭倉庫、ブリュナ館間近 富岡製糸場
- 掲載日
- 2013/07/08
富岡市は7日までに、世界文化遺産登録を目指す旧官営富岡製糸場の見学エリアを拡張した。立ち入り可能な屋外のエリアを増やし、木骨れんが造りの西繭倉庫や工女の教育施設として使われたブリュナ館、寄宿舎が間近に見学できるようになった。世界遺産登録に向けた審議が来年に迫る中、見学エリアの拡張を求める声は高まっており、市は対応を進める方針。
新たに一般見学者の立ち入りが可能になったのは製糸場敷地内の中庭から北西端にかけてと、敷地内南側の一部の2エリア。見学者は西繭倉庫の北西側の壁面が見られるようになったほか、ブリュナ館や寄宿舎の至近距離まで迫れるようになり、高床で回廊風のベランダを持つブリュナ館や寄宿舎の構造、外観が視覚的に分かりやすくなった。
市によると、エリアの拡張は「もっといろいろな施設を見学したい」との来場者の声を受けた措置。観桜会などこれまでのイベントで開放した実績を基に、来場者の安全面や施設への影響を考慮して、拡張エリアを決めた。
昨年度まとめた製糸場整備活用計画で、市は30年間の見直し作業を通じ、安全管理や施設の保存修理を徹底した上で、施設をできる限り公開する方針を打ち出している。
世界遺産登録運動の高まりなどで製糸場の来場者は増加。年初から7日までの来場者数は12万9512人で、過去最高だった昨年の同期(9万3154人)と比べると39%多くなっている。