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「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

4資産全体を評価 富岡製糸場と絹産業遺産群 文化庁 青柳長官が初視察

大沢知事らの説明を受ける青柳文化庁長官(左から2人目)=富岡製糸場
大沢知事らの説明を受ける青柳文化庁長官(左から2人目)=富岡製糸場

文化庁の青柳正規長官は25日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産候補「富岡製糸場と絹産業遺産群」を構成する養蚕、製糸関連の4資産を初めて視察した。近代養蚕家屋と養蚕教育機関、自然を利用した蚕の卵貯蔵施設も含めた4資産について「日本らしいエコロジカルなサイクルの中で、世界に通用する生糸という輸出産業を支えた。その全体が面白く素晴らしい」と評価した。

青柳長官は田島弥平旧宅(伊勢崎市)、高山社跡(藤岡市)、荒船風穴(下仁田町)、富岡製糸場の順に、県世界遺産推進課の松浦利隆課長らから説明を受けて見学。高品質な生糸の大量生産技術を開発し、世界の絹産業の発展と絹の大衆化に貢献した産業遺産の価値を確認した。

高山社跡では建物内外を視察。換気用の越屋根を載せた母屋兼蚕室の2階に上がり、炉も使った蚕室構造を興味深く見学した。

富岡製糸場では冒頭、東繭倉庫前で、大沢正明知事や岡野光利富岡市長が説明。その後、乾燥場、繰糸場など繭から生糸の生産工程をたどった。青柳長官は「大規模な富岡製糸場が非常に工夫されたデザインで明治初期から存在したことがとても印象に残った」と話した。

富岡製糸場と絹産業遺産群はことし1月、政府がユネスコへ世界遺産登録の推薦書を提出。諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)は、8月以降に行う現地調査も含めて評価結果を来年4~5月ごろ勧告。6月にカタールのドーハで開かれるユネスコ世界遺産委員会で登録の可否が審議される。

青柳長官は今月8日付で就任。イコモスの現地調査を前に視察を行った。

富岡製糸場(富岡市) 田島弥平旧宅(伊勢崎市) 高山社跡(藤岡市) 荒船風穴(下仁田町)