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「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

富岡製糸場、吹割の滝… 歴史や場語る巨大画面 平町さん個展25日まで富岡

天井まで届くキャンバスに描かれた「京浜工業地帯の掟・三部作」
天井まで届くキャンバスに描かれた「京浜工業地帯の掟・三部作」

富岡製糸場や吹割の滝、京浜工業地帯などを巨大なキャンバスに描いた画家、平町公さん(54)=横浜市鶴見区=の個展「ワンダートリップ」が、25日まで 富岡市立美術博物館で開かれている。壁一面に滝や渓谷、都市などが 物語性を持って描かれており、多彩な見方を楽しむことができる。

会場には今回の個展のために制作され、人々でにぎわう富岡製糸場や繭と蚕、貫前神社などが描かれている「富岡製糸場の図」(4メートル×20メートル)をはじめ、片品川を舞台にサルとウサギが合戦する様子を描いた「吹き割れの滝図」(2メートル×40メートル)など4作品が展示されている。

最も巨大な作品は「京浜工業地帯の掟(おきて)・三部作」で8メートル×31メートル。羽田空港がある東京都大田区をはじめ、横浜市や川崎市の工業地帯を描写した。造っては壊す「開発」の歴史をテーマに描いており、自然の象徴として妙義山の石門が組み込まれている。各作品とも場所や時代にちなんだ物語が描き込まれており、細部も楽しむことができる。

平町さんは「(富岡製糸場の図は)富岡の風景に明治時代から現在に至るまでの歴史を重ねた『暦』がテーマ。展示会では作品のスケール感とともに絵の中に存在するたくさんの風景や場面を自由に楽しんでほしい」と話している。

月曜休館。観覧料は一般200円、高校・大学生100円、中学生以下無料。問い合わせは同美術博物館(電話0274・62・6200)へ。

富岡製糸場(富岡市) 田島弥平旧宅(伊勢崎市) 高山社跡(藤岡市) 荒船風穴(下仁田町)