牧場迂回へバイパス 下仁田町周辺整備 西800メートルに駐車場 荒船風穴
- 掲載日
- 2013/08/24
下仁田町は、来夏の世界文化遺産登録を目指す「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産、荒船風穴(南野牧)の周辺整備構想をまとめた。風穴から約2・5キロ西の牧場を貫き国道254号につながる県道を観光客向けの経路として推奨。県道のバイパス整備と一部拡幅を目指すほか、駐車場を整え、アクセス向上を図る。
風穴の来場者数は昨年度2161人だったが、町は世界遺産登録後の2017年度には5万7千人に上ると試算。風穴を軸に観光・産業・文化資源を一体的に整備する本年度から5年間の基本方針を示した。
基軸となるのは①荒船風穴の啓発と情報提供②文化景観と安全に配慮した周辺整備③地域づくりへの積極的な活用④教育・文化活動への活用とジオパーク推進⑤交流と連携の促進―の5項目。特に懸念されていた交通面の利便性を高める。
町は大沢正明知事宛てに請願書を提出。牧場来場者の安全確保のため牧場を迂回(うかい)する県道バイパスの整備と、それに先んじて牧場を縦断する幅の狭い約130メートル区間の拡幅を求めた。
風穴来場者向けの駐車場は現在、17台分のみ。町は風穴の西約800メートル地点の牧草地に約120台収容の駐車場を造成。来年夏に見込まれる世界遺産登録までの完成を目指す。
構想ではこのほか、牧場散策や登山を通じたエコツーリズム、町営施設「荒船の湯」での入浴・休憩などを例に、風穴来場者が町をまるごと楽しめる複合的連携を掲げた。地域農産品を使った関連グッズやメニューの開発も取り上げている。