生糸商標266種を寄贈 京都の糸屋富岡市に 遺産登録へエール
- 掲載日
- 2013/09/07
生糸商標を岡野市長(右)に贈る吉川社長
京都市北区の絹糸製造販売「西陣の糸屋」(吉川幸四郎社長)が、取引のあった製糸会社の生糸商標266種類を富岡市に寄贈した。6日に富岡市役所を訪れた吉川社長は「日本の絹産業を盛り上げるため、富岡製糸場の世界遺産登録を応援したい」と話し、創業者である祖父の代から収集してきた商標を岡野光利市長に贈った。
商標は製糸組合や工場が生糸の束に添付したラベルで、生産地にちなんだ多彩なデザインが作られた。同社は製糸工場から生糸を仕入れ、糸によりをかけて機屋に販売しており、取引のあった会社の商標を保管してきた。寄贈した商標について、吉川社長は「正確に数えていないが、1千枚近くあるのでは」と話している。
西日本の会社が多いが、本県関係では碓氷 製糸、富岡 製糸場を所有した片倉工業、富岡市にあった富岡製糸所、小渕恵三元首相ゆかりの光山社の商標がある。
商標は企画展などでの展示を予定。富岡製糸場 総合研究センターの今井 幹夫所長は「これほど種類がまとまっているのは貴重。商標は生糸の顔であり、国内の絹産業を研究する上で興味深い資料だ」としている。