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「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

玉村でTOMIOKA世界遺産会議 アート切り口/「感幸」が必要 地域活性化の方策探る

「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界文化遺産登録後の地域づくりを県民と考える第2回公開講座「TOMIOKA世界遺産会議」(上毛新聞社主催)が5日、玉村町の県立女子大で開かれた。同大文学部専任講師の奥西麻由子さんと北海道大観光学高等研究センター特別招聘(しょうへい)教授の石森秀三さんが講演した。約130人が、産業遺産を活用し、地域を活性化するためのヒントを学んだ。

奥西さんは「アートを通じて地域にフレッシュな視点を」と題して講演した。中之条ビエンナーレなどのアートイベントが地域にもたらす経済効果や来訪者が増加していることなどを挙げ「地域の魅力を再発見し活性化できるツール」と説明。遺産群にもアートを切り口とした仕掛けを導入することを提案した。

石森さんは「世界遺産登録と観光振興は両立できるか―観光創造立国への期待―」をテーマに話した。世界遺産の維持管理には「潤沢な資金と優秀な人材が必要」とし、来訪者からの協力金の徴収などを勧めた。来訪者に滞在してもらうため、地域住民・団体による参加型観光プログラムの充実にも触れ「地域住民と来訪者が幸せを感じる『感幸(かんこう)』=観光への仕組みづくりが必要」と強調した。

会議は、遺産群の世界文化遺産登録に向けて、上毛新聞社が実施している応援キャンペーンの一環。県内大学と連携し、大学教員と外部識者の講演を通して観光や歴史遺産活用などの可能性を探る。前回は9月14日に群馬大で開かれた。

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