座繰りの歴史体感 新田暁高 絹産業遺産で出前講座
- 掲載日
- 2013/10/16
座繰りを体験する生徒
富岡製糸場世界遺産伝道師協会(近藤功会長)は、太田市の新田暁高で出前講座「学校キャラバン」を開いた。郷土史の授業を選択している2年生14人が絹産業遺産について理解を深めた。
中嶋弘副会長が旧官営富岡製糸場(富岡市)をはじめ、世界遺産登録を目指している絹産業遺産群の概要や価値を解説。蚕が繭を作り、絹糸ができるまでの工程も説明した。
続いて生徒が座繰りを体験した。湯を張った鍋に20個程度の繭を浮かべ、一つ一つから引いた糸を座繰り器で1本の生糸にねじり合わせていく作業に取り組んだ。
片手に持ったほうきで鍋をかき混ぜつつ、もう一方の手で座繰りの小枠を回す作業。生徒たちは窮屈そうに手を動かしながら、糸が仕上がっていく様子に見入っていた。
千本木菜美さん(17)は「繭の中に虫が入っているとは思わなかった。座繰りは結構難しくて、昔の人の苦労が分かった」と話していた。
キャラバンは絹産業に関連する遺産や文化に興味を持ってもらおうと、小中高校で開かれている。