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座繰り器 思い継ぐ 部品組み合わせ再生 藤岡の市民団体30人が寄贈

寄贈された座繰り器を確認する「まゆ花の会」の会員
寄贈された座繰り器を確認する「まゆ花の会」の会員

藤岡市にある世界文化遺産候補、高山社跡の清掃やPR活動に取り組む市民団体「まゆ花の会」が、座繰り実演で使う座繰り器の寄贈者を募集したところ、県内各地の30人から計35台の座繰り器が集まった。同会は、それぞれの思い出が詰まった座繰り器を使える部品を組み合わせて再生し、11月2日の体験会を皮切りに活用していく考えだ。「多くの方の協力に感激している。座繰りの素晴らしさを広め、世界遺産登録を後押ししたい」と意気込んでいる。

座繰り器は藤岡をはじめ、前橋、高崎、渋川、安中、伊勢崎、桐生などから提供された。父が高山社跡で養蚕を学んでいたという沼田市利根町の井上隆介さん(82)は、「父が藤岡で世話になったのも何かの縁。世界遺産登録へのPRに少しでも役立てるなら」と、物置にあった座繰り器を寄贈した。

所有者の名前や購入した年代を記した座繰り器が多く、藤岡公民館職員と一緒に寄贈者の自宅を訪問した斉藤喜美子会長(78)は「道具をいとおしそうに見つめ、思い出を語ってくれた人もいた。大切に使いたい」と話した。

提供された35台の座繰り器は、同会が活動拠点とする藤岡公民館に集められた。木工が得意な公民館利用者を中心に改修し、使える部品を組み合わせて再生させる。

同会は2日午前、藤岡市上大塚の「緑埜精糸社記念碑」前で、座繰りの体験会を開く。参加無料。問い合わせは「緑埜精糸社を顕彰する同好会」の小林健さん(電話 0274・23・5085)へ。

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