経済波及効果 34億円 富岡製糸場の世界遺産登録 観光好調、雇用創出400人 群馬経済研
- 掲載日
- 2013/10/31
群馬経済研究所は30日、「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界文化遺産に登録された場合、県内への経済波及効果は1年間で34億円に上るとの試算を発表した。サービスや交通を中心に幅広い業種に効果があり、約400人の雇用を生み出すとしている。
「石見銀山遺跡とその文化的景観」(島根県)の観光客の増加率を参考に試算した。登録後に4資産を訪れる人は、2012年度に比べて45万4千人増の74万7千人、観光客が購入する商品やサービスは33億2千万円増えると推計した。
34億円とした経済波及効果の内訳は、①県内から提供される商品やサービスの増加分(直接効果)21億2千万円②原材料などの需要増(第1次波及効果)6億8千万円③所得が増えた従業員の消費の増加(第2次波及効果)6億円。
業種別では、宿泊、飲食を中心とする対個人サービスの13億円が最多で、鉄道やバスなど運輸が7億円、商業3億円、不動産2億円と続いた。
直接効果で創出される雇用者は294人で、第1次、第2次波及効果はそれぞれ55、48人とした。
同研究所は登録後2、3年は同程度の波及効果が出るとの見方を示した上で、「県外からの宿泊客がもう1泊して周遊すれば約6億円を上乗せできる」と分析している。
かんら信用金庫(現しののめ信用金庫)が07年に発表した、富岡製糸場が世界遺産登録された場合の試算によると、富岡市への経済波及効果は年間85億円に上るとしている。