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「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

《暮らしのオアシス シルク製品》日常を華やかに 石鹸やマフラー、ショール

使用感の良さで人気を集めるせっけん
使用感の良さで人気を集めるせっけん

「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界文化遺産登録が期待される中、シルク製品にもスポットが当たっている。本県に息づく絹産業の歴史は織物だけでなく、日用品も生み出しており、製糸場に結び付くお土産としても注目されそうだ。世界遺産登録を見据えて、県民としてどんなものがあるのか知っておきたい。富岡市の富岡製糸場にあるミュージアムショップを訪ねた。

マフラーの中綿には、保温効果の高いシルクフィル(下)を使用している
マフラーの中綿には、保温効果の高いシルクフィル(下)を使用している

■国産の安心感

東繭倉庫内にある同店は、富岡シルクブランド協議会に参加する業者の製品を扱っている。使う繭はすべて富岡産だ。店長の伊従(いより)宏美さんは「高級感だけでなく、加工工程で信頼度が高い国内製という安心感もあり、幅広い支持を得ています」と説明する。

一番の売れ筋は絹糸から作ったフィルムを原料とする「富岡シルク石鹸(せっけん)」。簡単にホイップのようなきめ細かな泡が作れる。伊従さんは「抗菌だけでなく保湿作用も十分で、洗顔後の肌の突っ張りを抑え、潤いを保ってくれます」と使用感を語る。乾燥が進むこれからの時季に頼りになりそうだ。

サイズはミニ(12グラム、400円)とミドル(40グラム、1680円)、レギュラー(80グラム、2940円)の3種。ミニでも1カ月ほど使えるという。

冬の心強い味方となるマフラー(4600円)は、煮た後の繭で綿状にした「シルクフィル」を中綿に使っている。偏りや洗濯後のごわつきが少ないとされる。高い保温効果が特長で、手を包んでみると暖かさが分かる。

背当て(9600円)と肩当て(1万2600円)もそろえ、靴下や手袋の中綿に使えるシルクフィル(5グラム、1260円)単体でも販売している。

せんべいやサブレ、くず湯などシルクの活用は食品にも広がっている
せんべいやサブレ、くず湯などシルクの活用は食品にも広がっている

■肌触りに納得

織物は観光客も「やっぱり肌触りが違うね」と納得するという。県が実用化に乗り出した新品種「ぐんま細」の糸で織ったショール(2万9400円)を今月から販売開始。下仁田町の作家が座繰りで手引きした糸を使い、やさしい色合いに仕上がっている。富岡市と姉妹都市の長野県岡谷市で製作されたストール(1万8900円)もある。

同店はほかに、化粧品やボディータオル、ハンカチなど、どれも日常的に使えるものをそろえる。日本の近代化を支えた産業の"恩恵"を生活の中に取り入れてみてはいかが。

富岡製糸場の四季や建物を題材にしたポストカード
富岡製糸場の四季や建物を題材にしたポストカード

【ぷらすワン】食品

織物や日用品のほかに、実はシルクには"食"という楽しみ方もある。繭を細かく砕いたシルクパウダーや繭から抽出したシルクタンパクを使用した食品が次々に開発、販売されている。

富岡製糸場のミュージアムショップにも幅広い商品が並ぶ。みそせんべいの「赤れんが姫」(2枚入り10袋500円)、「富岡シルクサブレ」(5枚入り500円、10枚入り1150円)は年間を通して人気。くず湯の「まゆこもり シルク」(10個入り735円)は、冷え込むこれからの時季に重宝されるという。

シルクを使った商品以外では、ポストカード(105~550円)を買う人が多い。製糸場の四季や歴史を感じさせる建物を写真や水彩、切り絵で表現している。

観光客も品質に納得するストールやショール
観光客も品質に納得するストールやショール
世界文化遺産登録が期待される富岡製糸場。登録を見据え、絹製品への注目も高まりそうだ
世界文化遺産登録が期待される富岡製糸場。登録を見据え、絹製品への注目も高まりそうだ

富岡製糸場(富岡市) 田島弥平旧宅(伊勢崎市) 高山社跡(藤岡市) 荒船風穴(下仁田町)