世界遺産似合う景観に 住民がハボタン1300株 伊勢崎境島村
- 掲載日
- 2013/12/26
ハボタンを植える住民たち
来年6月の世界文化遺産登録を目指す「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産の一つ、田島弥平旧宅がある伊勢崎市境島村地区の住民が25日、弥平旧宅を含む地域で農村としての景観を保全する活動を始めた。この日は、観光客が巡る大型養蚕農家群の見学コースとなる道路沿いの遊休農地に約1300株のハボタンを植栽。参加者は「活動の輪を広げ、世界遺産にふさわしい景観にしたい」と意気込んでいる。
活動するのは、8月に地元住民が結成した利根川南部地域保全協議会(田島宥和会長)。同市境島村と境平塚地区の農家を中心に、地元区長や老人クラブなど各種団体の代表者ら28人が所属する。弥平旧宅の世界文化遺産登録を見据え、点在する耕作放棄地を解消し、農地の再利用や景観を保全するのが目的だ。
25日は、協議会のメンバーである地元の「新地シニアクラブ」の会員と3地区の区長ら21人が、弥平旧宅周辺の島小学校裏と、南画家の金井烏洲(うじゅう)の墓近くの遊休農地計2カ所に、約1300の赤や、ピンクのハボタンを植栽し彩った。
本年度の活動は、多くの観光客の往来が見込まれる地域の道路沿いの景観回復を優先する。弥平旧宅に近い「島村蚕のふるさと公園」周辺の草木の伐採も手がける予定。田島会長は「地域住民の活動の輪を広げ、世界遺産にふさわしい景観をつくり、観光客に楽しんでもらえる地域にしたい」と意欲的だ。
同協議会は、農林水産省の「農地・水保全管理支払交付金」を利用し、2016年度までに年間110万円の補助を受ける。4年間で最低でも地区内6カ所に点在する耕作放棄地を解消する。