絹人往来

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■4・桐生織塾 ものづくりは心から

時代を超え、織りの技を伝える「桐生織塾」。4月から活動を再開する=桐生市梅田町
時代を超え、織りの技を伝える「桐生織塾」。4月から活動を再開する=桐生市梅田町

かさの付いた裸電球、すりガラスの窓からすきま風が入り込む。桐生市梅田町にある「桐生織塾」。ここは今から百二十年も前に近代的な機械を導入した織物工場「成愛社」が操業した場所だ。織塾はその工場の隣接地に創業者が建てた民家をそのまま活用して、織物技術の保存、後継者の育成を目指している。明治初期から時が止まったまま残る古色の建物。そこには、古来から伝わる織物の技が詰め込まれている。

織塾の主は武藤和夫さん(69)=桐生市西久方町=。桐生市に生まれ、群馬大工学部紡織学科を卒業後、県繊維工業試験場に勤め、伊勢崎、桐生で長く、織物産業にかかわった。

(2001年3月2日掲載)